インドネシアのコーヒーの特徴:マンデリン、トラジャとスマトラ式
掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年10月23日時点)。集計の方法
喫茶店や自家焙煎の店で、深煎りの定番として長く親しまれてきたマンデリン。インドネシアの豆は、アフリカや中南米の豆とは違う個性を持っています。ここでは、インドネシアのどの島でコーヒーが育つのか、マンデリンやトラジャという名前が何を指すのか、味の背景にあるスマトラ式とはどんな方法なのかを整理します。
インドネシアのコーヒーはどこで育つ?
インドネシアは多くの島からなる国で、コーヒーもいくつもの島で栽培されています。コーヒーは17世紀の終わりに、オランダによってジャワ島に持ち込まれました。現在、国全体の生産量の多くはロブスタ(カネフォラ)ですが、スペシャルティの焙煎所が扱うのは主に高地で育つアラビカ種です。
- スマトラ島:北部のアチェ州のガヨ高地、北スマトラ州のトバ湖周辺のリントンなど。マンデリンの多くはこの島の豆です。
- スラウェシ島:南スラウェシの山あいのトラジャ地方。
- ジャワ島、バリ島、フローレス島:ジャワ島東部のイジェン高原、バリ島のキンタマーニ高原、フローレス島のバジャワなど。
コーヒー図鑑の焙煎所の記載で多い地域は、スマトラ、アチェ、トラジャです。焙煎所が記載した標高の中央値は約1,500mです。生産の多くは小規模な農家が担い、収穫した豆を仲買人や協同組合に売っています。地域ごとの豆はスマトラのコーヒー豆やトラジャのコーヒー豆でも見られます。
マンデリンとトラジャとは?
マンデリンは、北スマトラに暮らすマンダイリンの人々の名前に由来するといわれる呼び名です。現在は特定の地域名というより、スマトラ島のアラビカ種の豆に広く使われる名前で、トバ湖周辺やアチェの豆にも付けられます。袋に「マンデリン」とあるときは、地域名(リントン、ガヨなど)や精製方法が書かれているかを見ると、中身がはっきりします。アチェの豆には「ガヨマウンテン」という呼び名が使われることもあります。
トラジャは、スラウェシ島の山岳地帯の地名です。日本とのつながりが深く、1970年代に日本のコーヒー会社が現地で農園づくりと産地の再興に取り組み、日本で販売してきたことで名前が知られるようになりました。スマトラの豆に比べて、すっきりとした味で説明されることが多い豆です。
日本の売り場で使われる産地の呼び名については、モカ・キリマンジャロ・ブルーマウンテンとはでも説明しています。
スマトラ式とは?マンデリンの味を生む精製方法
スマトラ島で広く行われている精製方法は、日本では「スマトラ式」と呼ばれます。現地の言葉では「ギリン・バサ」といい、英語では「ウェットハル」と書かれることもあります。
- 収穫したチェリーの果肉を取り除き、短い時間だけ乾かします。
- 豆がまだ湿っているうちに、殻(パーチメント)を脱穀機ではずします。
- 殻のない豆の状態で、さらに乾燥させます。
ふつうは殻つきのまま十分に乾かしてから脱穀しますが、スマトラ式ではその順番が逆になります。雨の多い気候の中で乾燥にかかる日数を短くし、農家が早く豆を売れるようにするために広まった方法です。生豆は深い緑色になり、焙煎所の説明では、酸味が穏やかで重いコクのある味につながるとされています。
コーヒー図鑑で精製方法の記載があるインドネシアの豆48銘柄のうち、ウォッシュドは10%、ナチュラルは2%です。ほかの精製方法との違いはナチュラルとウォッシュドの違いで説明しています。ジャワ島やバリ島では、ウォッシュドの豆も多く作られています。
インドネシアの品種と等級G1
スマトラ島では、地元で名前の付いた品種が多く育てられています。アテンやティムティムは、ティモール・ハイブリッドやカティモールの系統の品種で、ほかにもシガラ・ウタンなど、地域ごとに選ばれてきた品種があります。ジャワ島やスラウェシ島では古いティピカ種も残っています。1つの畑に複数の品種が混ざっていることも珍しくありません。
コーヒー図鑑で品種の記載があるインドネシアの豆36銘柄では、ティピカ(56%)、アテン(14%)、Jember(14%)、ティムティム(11%)が多く書かれています。1つの豆に複数の品種が書かれることがあるため、合計は100%を超えます。
「マンデリンG1」のように書かれるG1は、インドネシアの等級で、一定量の生豆に含まれる欠点豆の少なさで決まる、いちばん上の区分です。粒の大きさで分けるケニアのAAとは基準が違います。コーヒー図鑑では、商品名に「G1」を含むインドネシアの豆が1銘柄あります。
マンデリンの味の特徴は?
焙煎所の説明では、スマトラ式の豆は、ハーブ、杉やシダーのような木、土、スパイス、ダークチョコレートといった言葉で表されることが多く、酸味は穏やかで、とろりとした重いコクがあるとされます。ジャワ島やバリ島のウォッシュドの豆は、より軽く、すっきりとした味で説明されることが多くなります。
コーヒー図鑑で焙煎所の説明をAIで分類すると、インドネシアの豆の27%にチョコレート系、22%にナッツ・キャラメル系の言葉が使われています。これは焙煎所の言葉をまとめた傾向で、当サイトが味を確かめたものではありません。
マンデリンの淹れ方と焙煎度
日本ではマンデリンを深煎りで販売する焙煎所が多く、ネルドリップやカフェオレ、アイスコーヒーに使われることもあります。苦味とコクを生かす淹れ方に向くとされる一方、最近は中煎りで仕上げて、ハーブや果実の風味を出す焙煎所もあります。深煎りの豆は深煎りのコーヒー豆で比べられます。
インドネシアのコーヒーの値段は?
マンデリンは日本で長く販売されてきた豆で、比較的手に取りやすい価格の豆から、農家や協同組合の名前が付いた小さなロット、発酵に工夫をした豆まで幅があります。
コーヒー図鑑のインドネシアの豆の100gあたり価格の中央値は¥1,010です。シングルオリジン全体の中央値は¥1,240です(基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点)。
| 産地 | p10〜p90の幅(100gあたり) | 中央値(100gあたり) | 銘柄数 |
|---|---|---|---|
| エチオピア | ¥980〜¥2,300 | ¥1,290 | 191 |
| コロンビア | ¥890〜¥3,700 | ¥1,465 | 126 |
| ブラジル | ¥840〜¥1,480 | ¥1,050 | 111 |
| グアテマラ | ¥850〜¥2,320 | ¥1,165 | 79 |
| ケニア | ¥923〜¥1,787 | ¥1,198 | 58 |
| インドネシア | ¥843〜¥1,400 | ¥1,010 | 54 |
| コスタリカ | ¥935〜¥4,322 | ¥1,266 | 46 |
| ニカラグア | ¥968〜¥2,100 | ¥1,450 | 41 |
| メキシコ | ¥862〜¥1,491 | ¥1,075 | 33 |
| パナマ | ¥1,150〜¥6,380 | ¥3,490 | 21 |
コーヒー図鑑のインドネシアの豆
BAISENYA SHIMA東京都杉並区
Jumbo Gayo 🇮🇩 G-1Ache
インドネシア、スマトラ、1,400m
スマトラ式、Gayo 1、Gayo 2
柑橘、ナッツ・キャラメル
100gあたり ¥1,400
¥2,800(200g)・税込・送料別・時点
インドネシア・スマトラ式の中央値より28%高い
焙煎所のサイトで見るBULLDOGBEANS静岡県裾野市
ガヨ(インドネシアスマトラ島)
インドネシア、スマトラ、1,500m
ウォッシュド、ティムティム、Ateng Super
トロピカル・ワイニー、ドライフルーツ・スパイス、チョコレート
100gあたり ¥867
¥1,300(150g)・税込・送料別・時点
インドネシア・ウォッシュドの中央値並み
焙煎所のサイトで見るCOFFEE PORT ASHIYAHAMA ROASTERY兵庫県芦屋市
インドネシア マンデリン クイーン アン / ダークロースト
インドネシア、スマトラ、1,200〜1,400m
スマトラ式、ティピカ
フローラル・紅茶、ドライフルーツ・スパイス、チョコレート
100gあたり ¥1,050
¥2,100(200g)・税込・送料別・時点
インドネシア・スマトラ式の中央値並み
焙煎所のサイトで見るDEAI COFFEE愛知県豊田市
〔インドネシア/中深煎り〕ママサ・カロシ/スマトラ式
インドネシア、スマトラ、1,300〜1,500m
スマトラ式、ティピカ、S-Lini
フローラル・紅茶、ドライフルーツ・スパイス、チョコレート
100gあたり ¥1,150
¥2,300(200g)・税込・送料別・時点
インドネシア・スマトラ式の中央値より6%高い
焙煎所のサイトで見るKUROHIGE COFFEE神奈川県藤沢市
インドネシア アチェ フォレストグリーン スマトラ式 G1
インドネシア、アチェ、1,600m
スマトラ式、カティモール、ティピカ
フローラル・紅茶、柑橘、トロピカル・ワイニー
100gあたり ¥1,229
¥2,090(170g)・税込・送料別・時点
インドネシア・スマトラ式の中央値より13%高い
焙煎所のサイトで見るOGAWA COFFEE京都市右京区
インドネシア ウーマンイサク オランウータンコーヒー(豆)
インドネシア、アチェ、1,600m
スマトラ式、オナンガンジャン
ナッツ・キャラメル
100gあたり ¥1,130
¥1,695(150g)・税込・送料別・時点
インドネシア・スマトラ式の中央値並み
焙煎所のサイトで見るよくある質問
マンデリンはどこの国のコーヒーですか?
インドネシアのスマトラ島のアラビカ種の豆です。特定の農園や地域の名前ではなく、スマトラ島の豆に広く使われる呼び名です。
マンデリンはどんな味ですか?
焙煎所の説明では、穏やかな酸味と重いコク、ハーブや土、スパイスを思わせる風味で紹介されることが多い豆です。深煎りで販売されることも多くあります。
スマトラ式とウォッシュドの違いは何ですか?
スマトラ式は、豆がまだ湿っているうちに殻をはずし、殻のない状態で乾かす方法です。ウォッシュドは殻つきのまま乾かしてから脱穀します。
トラジャとマンデリンの違いは何ですか?
産地の島が違います。マンデリンはスマトラ島、トラジャはスラウェシ島の豆の呼び名です。
わかっていないこと
- 「マンデリン」の豆がどの地域のものか。呼び名だけで地域が書かれていない豆は、スマトラ島のどこで育ったかがわかりません。
- 精製方法の書き分け。焙煎所によっては、スマトラ式の豆を「セミウォッシュド」などと書くことがあり、書き方によって精製方法の数え方が変わることがあります。
- 袋に入っている品種。スマトラ島では複数の品種が混ざって育つことが多く、書かれていない品種もあります。
出典と方法
- インドネシアの産地、コーヒーの歴史、スマトラ式、品種、等級、呼び名の由来:コーヒーの業界資料などで一般に知られている内容をまとめたもので、個別の出典は示していません。
- 産地、地域、品種、精製方法、標高、用途:焙煎所が販売ページに記載した内容。割合は、その項目の記載がある豆に占める割合です。G1の数は商品名から数えています。
- 風味の傾向:焙煎所の説明をAIで分類したもので、当サイトが味を測ったものではありません。
- 当サイトの数字:在庫のある豆から集計。2026年10月23日時点。詳しくは項目の読み取り方。