全自動コーヒーメーカーの比較:ミルの方式と手入れで5機種を見る

掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年11月2日時点)。集計の方法

機種の価格と仕様は、メーカーと販売店の表示を2026年11月1日に確認した目安です。当サイトは機器を試していません。価格は販売店と時期で変わります。

最初に確認してください。全自動コーヒーメーカーは、ミルのついたドリップ式の機械です。圧力をかけて抽出する全自動エスプレッソマシンとは別の製品で、エスプレッソは淹れられません。名前が似ているため、買う前に種類を確かめてください。エスプレッソやカフェラテを飲みたい場合は、全自動エスプレッソマシンの比較をご覧ください。

ここでは2026年11月時点で販売されている5機種を、ミルの方式、自動洗浄の範囲、大きさ、保温の4点で比べます。当サイトは機器を試していないので、味の順位はつけません。メーカーの仕様から、どの機種がどんな人に向くかを整理します。

選ぶ前に見る5つの点

ミルの方式:フラット式、コニカル式、プロペラ式

全自動コーヒーメーカーの違いは、まずミルに出ます。方式によって、粒のそろい方と挽き目の選び方が変わります。フラット式とコニカル式は、どちらも2枚の刃のすき間で挽く臼式です。

  • フラット式:平たい2枚の刃のあいだで豆を挽きます。ツインバードCM-D457は回転を抑えた低速式で、粗・中・細の3段階です。
  • コニカル式(コーン式):円錐形の刃で挽きます。シロカSC-C281とタイガーADG-A060は、挽き目を無段階で変えられます。
  • プロペラ式:回転する羽根で豆を砕きます。つくりが単純で価格を抑えやすい一方、粒はそろいにくくなります。シロカSC-A372では、豆の一部が挽かれずに残ることがあるとメーカーが書いています。

挽き目そのものの考え方はコーヒー豆の挽き方で解説しています。

自動洗浄:どこまで自動か

自動洗浄という言葉の範囲は、機種で違います。パナソニックNC-A58はミルを湯で流す機能で、本体の湯の通り道まで洗うものではありません。シロカSC-C281のクリーニングモードは、タンクと本体内部の水を抜く機能です。どの機種でも、サーバーやフィルターは使ったあとに手で洗います。水あかを落とすクエン酸洗浄も別の作業で、タイガーADG-A060を除く4機種ではメーカーが案内しています。

幅と高さ:棚の下に入るか

日本のキッチンでは、吊り戸棚の下の高さと調理台の奥行きが制約になりがちです。今回の5機種は幅が15.2〜16.6cmでほぼそろっていますが、高さは26.4〜42.1cmと大きく違います。奥行きは27.2〜33.5cmです。上から豆や水を入れる機種は、ふたを開ける分の空間も必要です。メーカーの寸法には持ち手やサーバーを含まないものがあるので、棚の下に置くなら余裕を見て測ってください。

運転音:朝に使うか

ミルが回るあいだは、ドリップ中より音が大きくなります。ワンルームで朝に使う場合や、家族が寝ている時間に使う場合は気になる点です。ただし、確認したメーカーのページに騒音の数値はありませんでした。レビューサイトの数値は測定条件がそろっていないので、ここでは載せません。音を避けたい日は、粉を使える機種ならミルを動かさずに淹れられます。

保温とサーバー:どのくらいの時間で飲むか

ガラスサーバーの機種の多くは、下の保温板で温めます。温め続けると香りが変わりやすいので、保温は時間で切れるものが多くあります。真空二重構造のステンレスサーバーは、電気を使わずに温度を保ち、本体から離して食卓に置けます。淹れてすぐ飲むならガラスでも困りません。午前中に少しずつ飲むなら、ステンレスのほうが扱いやすいでしょう。

5機種の比較

選んだ基準:2026年11月時点で販売中で、メーカーが仕様を公開している全自動コーヒーメーカーから、ミルの方式と価格帯が異なる5機種を選びました。表の順番は価格の安い順で、品質の順ではありません。

全自動コーヒーメーカー5機種の比較(税込の目安・2026年11月時点。寸法は幅×奥行き×高さで、メーカーの公表値)
機種価格の目安ミル挽き目自動洗浄寸法最大量サーバーと保温
シロカ カフェばこSC-A372¥18,000〜¥20,000プロペラ式中細のみメーカーの記載なし16.2×28×26.4cm0.55Lステンレス、保温30分
パナソニックNC-A58約¥20,000販売店の表記はプロペラ式粗、中細(フィルターを交換)ミルのみ15.2×27.2×34.9cm4杯(545ml)ガラス、2時間で保温オフ
ツインバードCM-D457¥23,000〜¥42,000フラット式粗、中、細メーカーの記載なし(手動の手入れモードあり)16×33.5×36cm3杯(450ml)ガラス、保温約20分
シロカ カフェばこPRO SC-C281¥30,000〜¥35,000コニカル式無段階排水とミル手入れのモード16.6×27.3×42.1cm4杯(最大使用水量0.83L)真空二重ステンレス
タイガーADG-A060¥32,000〜¥40,000コニカル式無段階メーカーのページに記載なし16×33.3×41.2cm6杯(0.85L)ガラス(価格.comの表記)、保温の記載なし

5機種の消費電力は600〜911Wです。単独なら大きな値ではありませんが、電子レンジやケトルと同じ回路で同時に使うと、ブレーカーが落ちることがあります。

シロカ カフェばこSC-A372

  • 向く人:棚の下に置きたい人、全自動をなるべく低い予算で始めたい人。
  • 強み:高さ26.4cmは5機種でいちばん低く、ミル付きバスケットを外して洗えます。メッシュフィルターなのでペーパーを買わずに済み、タイマー予約もできます。
  • 弱点:プロペラ式で、挽き目は中細だけです。豆の一部が挽かれずに残ることがあります。最大量は0.55Lです。

パナソニックNC-A58

  • 向く人:置き場所の幅を抑えたい人、デカフェの豆も同じ機械で淹れたい人。
  • 強み:幅15.2cmは5機種でいちばん狭く、蒸らしの前にミルを自動で洗います。デカフェ豆コースがあり、保温は30分後に温度を下げ、2時間で切れます。
  • 弱点:自動で洗うのはミルだけです。前のNC-A57にあった沸騰浄水と活性炭フィルターはなくなり、最大量も5杯から4杯に減りました。

ツインバードCM-D457

  • 向く人:1〜3杯を落ち着いて淹れたい人、湯の温度も選びたい人。
  • 強み:低速のフラット式のミルを使い、抽出温度は83℃と90℃から選べます。ミルは外せるので、付属のブラシで粉を落とせます。
  • 弱点:最大3杯です。保温は約20分で切れ、延長できません。水タンクは外せず、奥行き33.5cm、約4.1kgと大きめです。2018年発売の機種で、価格は販売店で約¥23,000、公式ストアは5年保証つきで約¥42,000と差があります。

シロカ カフェばこPRO SC-C281

  • 向く人:挽き目を無段階で変えたい人、淹れたあと時間をかけて飲む人。
  • 強み:コニカル式のミルで、細挽きから粗挽きまで無段階です。真空二重構造のステンレスサーバーは本体から離せます。デカフェモードがあり、粉でも淹れられます。
  • 弱点:高さ42.1cmは5機種でいちばん高く、約4.5kgあります。フィルターは付属せず、別に買います。ミルは水洗いできません。同じ寸法で、ガラスサーバーと最大約6杯のSC-C261もあり、こちらは¥28,000〜¥33,000です。

タイガーADG-A060

  • 向く人:濃さやアイスコーヒーを淹れ分けたい人、ミルの中まで分解して掃除したい人。
  • 強み:メニューはRich、Strong、Decaf、Icedの4種類で、挽くだけのGrindもあります。ミル機構を丸ごと外せて、外刃と内刃も分解できます。ホッパーやサーバーなど5つの部品は食器洗い乾燥機に対応しています。
  • 弱点:高さ41.2cm、奥行き33.3cmで、置き場所を選びます。湯の温度は調整できません。2026年10月発売なので、長く使ったときの情報はまだほとんどありません。

ほかの種類との違い

全自動コーヒーメーカーが合うかどうかは、ほかの種類と並べるとわかります。シロカとデロンギを比べる場合は、同じ種類の機械かどうかを先に確かめてください。比較表のシロカの2機種はドリップ式ですが、デロンギの全自動機の多くはエスプレッソマシンで、淹れられるものも価格も大きく違います。

コーヒーメーカーの種類ごとの違い(税込の目安・2026年11月時点)
種類価格の目安淹れられるもの使うもの向く人
ドリップ式コーヒーメーカー(ミルなし)¥4,000〜¥7,000ドリップコーヒー粉粉を買って手軽に淹れたい人
全自動コーヒーメーカー¥18,000〜¥42,000ドリップコーヒー豆(粉も使える機種あり)挽きたての豆を手間なく淹れたい人
全自動エスプレッソマシン¥70,000〜¥198,000エスプレッソとそのアレンジ豆カフェラテなどをボタンで作りたい人

手入れの手間:機種ごとの違い

全自動はミルの分だけ、手入れがドリップ式より増えます。「お手入れが簡単」と感じるかどうかは、ミルを水で洗えるか、どの部品を食器洗い乾燥機に入れられるかで変わります。

5機種の手入れ(メーカーの案内による。手順は各機種の説明書で確認してください)
機種ミルの掃除水あか食器洗い乾燥機
シロカSC-A372ミル付きバスケットを洗う。駆動部に水をかけない目立ってきたらクエン酸で洗浄使えない
パナソニックNC-A58自動で流すほか、残った粉や油は刃に手をふれないよう取る気になったらクエン酸で洗浄使えない
ツインバードCM-D457毎日1回使うなら週1回を目安にブラシで掃除。水洗いはできないカルキが気になったらクエン酸で洗浄確認できず
シロカSC-C281付属ブラシで掃除し、ミル手入れモードを動かす。水洗いはできないクエン酸で洗浄使えない
タイガーADG-A060ミル機構を外し、外刃と内刃に分解して掃除メーカーのページに記載なし5つの部品が対応

クエン酸の量と手順はコーヒーメーカーの掃除にまとめています。

毎日の費用は豆代が中心

全自動コーヒーメーカーの費用は、ほとんどが豆代です。国内の焙煎所の豆で1杯(豆12g)を淹れると、豆代は中央値の価格で約¥144、安いほうから1割の価格で約¥102、高いほうから1割の価格で約¥306です(1,523銘柄、2026年11月2日時点)。ペーパーを使う機種では、これに紙代が加わります。

豆の量p10〜p90の幅(1杯あたり)中央値(1杯あたり)
1杯10g¥85〜¥255¥120
1杯12g¥102〜¥306¥144
1杯15g¥128〜¥383¥180
1杯18g¥153〜¥459¥216
1杯の豆の量ごとの豆代。線は100gあたり価格の下位1割から上位1割、印は中央値で計算。n=1,523、2026年11月2日時点。

機械で淹れる場合の豆の量は、メーカーの説明書の分量が基準です。濃いコースを選ぶと、豆を多く使う機種もあります。1杯の量の目安はコーヒー1杯の豆の量で確かめられます。豆の価格の幅は100gあたりの相場にまとめています。

全自動コーヒーメーカーに合う豆

コーヒーメーカーの抽出はドリップと同じ仕組みなので、焙煎所がドリップ向けと書いている豆が出発点になります。コーヒーメーカー向けと書かれた豆はまだ多くありません。当サイトではハンドドリップ向けの豆や、ドリップ向けの豆の一覧から探せます。全自動で使うなら、豆のまま買います。

  • 焙煎度:焙煎度の違いを見て、好みに近い豆から試します。挽き目を変えられる機種なら、薄いと感じたときに細かくして調整できます。
  • 油の多い豆:表面に油が出ている豆は、ミルや容器に油が残りやすくなります。パナソニックは、そうした豆を使ったあとに拭き取るよう案内しています。
  • デカフェ:NC-A58、SC-C281、ADG-A060にはデカフェ用のコースがあります。豆はデカフェの豆から探せます。シロカは、このモードがカフェインを取り除くものではないと書いています。
  • 保存:ホッパーに入れたままの時間が長いほど、香りは落ちやすくなります。数日で使う量だけ入れて、残りはコーヒー豆の保存方法を参考に密閉して保管します。
  • 水:機械に使う水は、説明書の指定が基準です。詳しくはコーヒーに合う水で解説しています。

わかっていないこと

  • 味の違い。当サイトは5機種を試していません。ミルの方式から粒のそろい方の傾向は言えますが、どの機種の味が好みに合うかはわかりません。
  • 運転音。確認したメーカーのページに騒音の数値はなく、数字では比べられません。
  • NC-A58のミルの種類。メーカーの仕様ページには、刃の方式が書かれていません。表のプロペラ式は販売店の表記です。取扱説明書の本文も確認していません。
  • ADG-A060の自動洗浄と保温。価格.comの仕様一覧では自動内部洗浄ありとされていますが、メーカーのページでは確認できませんでした。保温の有無と時間、クエン酸洗浄の手順も同様です。購入前に説明書で確認してください。
  • 壊れにくさ。ミルや部品がどのくらい持つかのデータはありません。
  • これからの価格。表の価格は確認日の目安です。CM-D457のように、公式ストアと販売店で大きく違う機種もあります。

よくある質問

全自動コーヒーメーカーとエスプレッソマシンは同じ?

違います。全自動コーヒーメーカーはドリップで淹れる機械で、圧力をかけて抽出するエスプレッソマシンとは別の製品です。エスプレッソを淹れたい場合は、全自動エスプレッソマシンを選びます。

自動洗浄があれば掃除はいらない?

いります。確認できた機能の多くはミルを流すか、水を抜くものです。サーバーやフィルターは使ったあとに洗い、水あかは説明書の手順に沿ってクエン酸で落とします。

安い全自動コーヒーメーカーでも豆から淹れられる?

淹れられます。今回の5機種ではシロカSC-A372の価格が低く、豆を挽いて抽出するところまで自動です。ただしプロペラ式で、挽き目は中細だけです。

静かな全自動コーヒーメーカーはどれ?

数字では答えられません。確認したメーカーのページに騒音の数値がないためです。店頭で音を聞くか、粉を使える機種でミルを動かさない方法があります。

全自動コーヒーメーカーの味を比較した結果はある?

ありません。当サイトは機器を試していないので、仕様の違いだけを比べています。味の傾向を見るなら、ミルの方式と湯の温度を選べるかどうかが手がかりになります。

コーヒーメーカーでも使えるドリップ向けの豆

ハンドドリップ向けの豆をすべて見る

出典と方法

  • パナソニック:NC-A58の仕様、概要、よくあるご質問(NC-A58とNC-A57の違い、コーヒーメーカーのお手入れ)。2026年11月1日閲覧。
  • シロカ:公式ストアのSC-A372、SC-C281、SC-C261と、お客様サポートのお手入れの案内。2026年11月1日閲覧。
  • タイガー魔法瓶:ADG-A060の製品ページと発表資料。2026年11月1日閲覧。
  • ツインバード:公式ストアのCM-D457、よくあるご質問、メンテナンスガイド。2026年11月1日閲覧。
  • 価格:価格.comの掲載価格と各メーカーの公式ストアの表示を、2026年11月1日に確認し、百円または千円の単位で丸めました。税込の目安で、送料は含みません。ほかの種類の価格帯も同じ日の目安です。
  • サーバーの素材(タイガー)と水タンクの着脱(ツインバード):メーカーのページで確認できなかった項目は、価格.comの仕様一覧によります。
  • 選定のルール:2026年11月時点で販売中であること、メーカーが仕様を公開していること、ミルの方式と価格帯が異なること。順位や評価点はつけていません。当サイトは機器を試していません。
  • 1杯の豆代:各焙煎所のショップに表示された税込価格(送料別)から求めた100gあたり価格の下位1割、中央値、上位1割に、豆の量を掛けて100で割った値。n=1,523、2026年11月2日時点。詳しくは100gあたり価格の計算方法。