ハンドドリップの道具:初心者が最初にそろえるものと選び方

掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年10月23日時点)。集計の方法

ハンドドリップは、紙のフィルターに入れた粉に、上から湯を注いで淹れる方法です。道具は多く売られていますが、全部を最初からそろえる必要はありません。ここでは道具ごとの役割と種類の違い、どの順番でそろえると味の変化がわかりやすいかを整理します。当サイトは道具を試していないため、特定の製品やメーカーは挙げず、種類ごとの一般的な特徴だけを説明します。

ハンドドリップに必要な道具の一覧

ハンドドリップの道具と役割(最初から必要か、あとからでよいか)
道具役割最初から必要か
ドリッパーフィルターと粉を入れ、湯を落とす必要
ペーパーフィルター粉をこし、油分や微粉を受け止める必要(ドリッパーの形に合わせる)
サーバーまたはカップ淹れたコーヒーを受ける必要(1杯ならカップで足りる)
やかん・電気ケトル湯を沸かして注ぐ必要(家にあるものでよい)
キッチンスケール豆と湯の量を量る早めにあると便利
細口ケトル細く静かに湯を注ぐあとからでよい
ミル豆を淹れる直前に挽くあとからでよい(粉で買える)
温度計・タイマー湯の温度と時間を確かめるなくてもよい

ドリッパーの種類:円錐形と台形の違い

ドリッパーは形と穴の数で、湯の落ち方が変わります。家庭用でよく見かけるのは、円錐形と台形の2種類です。

ドリッパーの形による違い(一般的な傾向。製品によって違います)
形つくり湯の落ち方と特徴
円錐形先のとがった円すい形で、底に大きな穴が1つ。内側にらせん状などの溝(リブ)がある湯が速く落ちやすい。注ぐ速さや量で味が変わりやすく、調整の幅が広い
台形(1つ穴)底が平たい細長い形で、小さな穴が1つ湯がゆっくり落ち、粉と湯が触れる時間が長め。注ぎ方の影響を受けにくい
台形(3つ穴)台形の底に小さな穴が3つ1つ穴より速く落ちる。注ぎ方で調整する余地もある

このほか、底が平らな円形のドリッパー(ウェーブ形など)もあり、湯が均一に落ちやすいと言われます。どの形がよいということはなく、注ぎ方で味を調整したいか、なるべく同じ味を手軽に再現したいかで選び分けられます。初めてなら、注ぎ方の影響を受けにくい台形や平底の形のほうが、味がぶれにくいと考えられます。

素材は、樹脂(プラスチック)、陶器・磁器、ガラス、金属などがあります。樹脂は軽く割れにくく、熱を奪いにくいのが特徴です。陶器や磁器、ガラスは、冷えた状態で使うと湯の温度が下がるため、湯を通して温めてから使います。大きさは「1〜2杯用」「2〜4杯用」のように書かれていることが多く、ふだん淹れる量に合わせて選びます。

ペーパーフィルターの選び方

ペーパーフィルターは、ドリッパーの形と大きさに合ったものを使います。円錐形のドリッパーには円錐形のペーパー、台形のドリッパーには台形のペーパーです。形が合わないと、すき間から湯が流れたり、湯の落ち方が変わったりします。

  • 白いペーパー(漂白)と茶色いペーパー(無漂白):無漂白のペーパーは紙のにおいが出やすいと言われます。どちらを使う場合も、粉を入れる前に湯を通して紙を湿らせると、においが減り、ドリッパーとサーバーも温まります。湯は捨ててから淹れます。
  • 金属フィルターや布(ネル):ペーパーを使わない方法もあります。金属フィルターはコーヒーの油分や微粉を通すため、とろみのある濁った味になります。ネルは手入れに手間がかかりますが、まろやかな味になると言われます。

細口ケトルは必要?

細口ケトル(ドリップポット)は、注ぎ口が細く長いケトルです。湯を細く、静かに、狙った場所に注げるので、粉の上に少しずつ湯をのせる淹れ方がしやすくなります。とくに、注ぎ方で湯の落ち方が変わる円錐形のドリッパーでは違いが出やすい道具です。

ただし、最初から必要というわけではありません。ふつうのやかんや電気ケトルでも、少しずつ注げば淹れられます。注ぎ口の太いケトルから細口ケトルに湯を移して使う方法もあります。

細口ケトルには、直火やIH調理器で温めるものと、電気で沸かせるものがあります。電気式には温度を設定できるものもあり、湯の温度を毎回そろえやすくなります。湯の温度は、沸騰した湯を少し置いた90〜96℃前後がよく目安にされます。浅煎りの豆では高めの温度、深煎りの豆ではやや低めの温度が使われることが多くあります。

スケールで量る理由

ドリッパーに付いてくる計量スプーンは、重さではなく体積で量ります。同じスプーン1杯でも、焙煎度や豆の大きさで重さが変わるため、味をそろえたいときはキッチンスケールで重さを量るほうが確実です。

家庭のキッチンスケールで、1g単位で量れれば始められます。コーヒー用のスケールには、0.1g単位で量れるものや、タイマーが付いていて、注いだ湯の量と時間を同時に見られるものがあります。サーバーとドリッパーをスケールに載せたまま淹れると、注いだ湯の重さがそのまま見られて便利です。

ミル:手挽きと電動

コーヒーは挽いた直後から香りが抜けていくため、淹れる直前に挽くと香りの違いがわかりやすくなります。とはいえ、多くの焙煎所は「粉」でも販売しており、淹れ方を伝えればそれに合った挽き目にしてもらえます。ミルは、ハンドドリップに慣れてからでも遅くありません。

  • 手挽きミル:ハンドルを回して挽きます。音が静かで電源がいらず、持ち運びもできます。1杯分を挽くのに少し時間と力がかかります。
  • 電動ミル:短い時間で挽けるので、毎日何杯も淹れる場合に手間が減ります。音は手挽きより大きくなります。

手挽きか電動かよりも、刃の方式のほうが味に関わります。臼式(コーン式)やフラットカッター式は、刃のすき間で挽き目を調整でき、粒がそろいやすい方式です。羽根で豆を砕くプロペラ式は、回す時間で粗さが決まり、粒がそろいにくくなります。挽き目の選び方はコーヒー豆の挽き方で解説しています。

どの順番でそろえる?

カップの味の変化が大きいものから並べると、次の順番が考えやすいです。

  1. 豆。焙煎所が「ハンドドリップ向け」としている豆なら、浅煎りから深煎りまで選べます。ミルがなければ、挽いた粉で買います。
  2. ドリッパーとペーパーフィルター。これがないと始まりません。ペーパーは形と大きさを合わせます。
  3. キッチンスケール。豆と湯の量をそろえると、味の違いの原因を見つけやすくなります。家にあるもので始められます。
  4. ミル。香りの違いがはっきりします。粒のそろいやすい刃の方式を選ぶと、挽き目の調整がしやすくなります。
  5. 細口ケトル。注ぎ方を細かく調整したくなったら加えます。

焙煎所が淹れ方として「ハンドドリップ」を挙げている豆は、ハンドドリップ向けの豆にまとめています。

エスプレッソ1%(15)オムニ0%(0)ドリップ0%(1)記載なし99%(1,489)

全自動エスプレッソマシン向けの条件に合う豆:6銘柄(6軒の焙煎所)

焙煎所が書いている淹れ方(エスプレッソ向け、ドリップ向け、両方)の割合。在庫のある1,505銘柄、2026年10月23日時点。

基本の淹れ方

多くの焙煎所やコーヒー店が紹介している手順は、おおむね次のとおりです。決まりではなく、出発点です。

  1. 豆を中細挽きにします。コーヒー図鑑では1杯の豆の量を12gとして計算しています。
  2. ドリッパーにペーパーをセットし、湯を通して湿らせ、サーバーにたまった湯を捨てます。
  3. 粉を入れて表面を平らにし、スケールの表示をゼロに戻します。
  4. 粉全体が湿るくらいの少量の湯を注ぎ、20〜30秒ほど待ちます(蒸らし)。粉がふくらみ、ガスが抜けます。
  5. 中心から小さな円を描くように、数回に分けて湯を注ぎます。ペーパーに直接湯をかけないようにします。
  6. 目標の量まで注いだら、湯が落ちきる前にドリッパーを外します。1〜2杯分なら、全体で3分前後が目安とされます。

酸っぱく薄いときは挽き目を細かく、苦く渋いときは粗くします。変えるのは一度にひとつだけです。豆と湯の量の目安はコーヒー1杯の豆の量に、水の選び方はコーヒーに合う水にまとめています。

わかっていないこと

  • 製品ごとの違い。当サイトは道具を試していません。同じ形のドリッパーでも、溝の形や穴の大きさで湯の落ち方は変わります。
  • 好みの味。同じ道具と豆でも、注ぎ方や湯の温度で味は変わります。上の手順は一般的な出発点です。
  • 道具の値段。当サイトが集計しているのはコーヒー豆の価格で、道具の価格は扱っていません。

よくある質問

ハンドドリップを始めるのに最低限必要なものは?

ドリッパー、形の合うペーパーフィルター、カップかサーバー、湯を沸かす道具、粉です。スケール、細口ケトル、ミルはあとから加えられます。

円錐形と台形のドリッパーはどう違う?

湯の落ち方が違います。円錐形は湯が速く落ち、注ぎ方で味を調整しやすい形です。台形は湯がゆっくり落ち、注ぎ方の影響を受けにくい形です。

細口ケトルがないと淹れられない?

淹れられます。ふつうのやかんや電気ケトルでも、少しずつ注げば十分です。細口ケトルは、湯を細く狙った場所に注ぎたいときに便利な道具です。

計量スプーンではだめ?

使えますが、スプーンは体積で量るため、焙煎度によって重さが変わります。味をそろえたいときは、スケールで重さを量るほうが確実です。

ハンドドリップ向けの豆

OVERVIEW COFFEE広島県尾道市

ESPRESSO | APROCSAA , Guatemala

グアテマラ、アティトラン、1,700〜2,000m

ウォッシュド、ブルボン、カトゥーラ

フローラル・紅茶、ナッツ・キャラメル、ストーンフルーツ

エスプレッソ向け

100gあたり ¥1,256

グアテマラ・ウォッシュドの中央値より9%高い

焙煎所のサイトで見る

GOODMAN ROASTER京都市下京区

ALISAN YANGUI / GEISHA

台湾、Alishan、1,230〜1,500m

ナチュラル、ゲイシャ

フローラル・紅茶、ベリー、ナッツ・キャラメル

ドリップ向け

価格は焙煎所のサイトでご確認ください

焙煎所のサイトで見る

ハンドドリップ向けの豆をすべて見る

出典と方法

  • 道具の種類と特徴、基本の淹れ方:国内のコーヒー店や焙煎所で一般に紹介されている方法と、一般的なコーヒーの知識によります。当サイトは道具を試しておらず、製品の比較や紹介はしていません。
  • 1杯の豆の量:当サイトの計算に使う設定値です(詳しい目安)。
  • グラフ:焙煎所が書いている淹れ方(エスプレッソ向け、ドリップ向け)を集計したもの。在庫のある豆のみ、2026年10月23日時点。分類のルールは淹れ方の分類。
  1. 価格は各焙煎所のショップの表示(税込)です。最新の価格・在庫はショップでご確認ください。