ケニアのコーヒーの特徴:SL28、AAの意味と味の傾向

掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年10月23日時点)。集計の方法

ケニアの豆は、スペシャルティコーヒーの焙煎所で浅煎りから中煎りに仕上げられることが多く、ハンドドリップで果実のような風味を楽しむ豆として扱われています。ここでは、ケニアのコーヒーがどこで育ち、どんな品種と精製方法で作られているのか、袋に書かれた「AA」などの記号が何を意味するのかを整理します。

ケニアのコーヒーはどこで育つ?

コーヒーの主な産地は、首都ナイロビの北に広がる中央高地です。ケニア山とアバーデア山脈の斜面の、火山性の土壌で育てられています。よく知られた地域は、ニエリ、キリニャガ、ムランガ、キアンブ、エンブなどで、西部のエルゴン山の周辺でも栽培されています。コーヒー図鑑の焙煎所の記載で多い地域は、ニエリ、キリニャガ、キアンブです。焙煎所が記載した標高の中央値は約1,800mです。

生産の多くは小規模な農家が担っています。農家は収穫したチェリーを協同組合の精製所に持ち込み、そこで多くの農家の豆がまとめて精製されます。この精製所はケニアでは「ファクトリー」と呼ばれ、銘柄名に農園名ではなくファクトリーの名前が付くのはそのためです。地域ごとの豆はニエリのコーヒー豆やキリニャガのコーヒー豆で比べられます。

SL28、SL34とは?ケニアの品種

ケニアを代表する品種は、SL28種とSL34種です。1930年代にナイロビのスコット研究所(Scott Laboratories)で選抜された品種で、名前の「SL」はその頭文字です。ケニアの豆らしい風味を生む品種とされる一方、さび病などの病害には弱いことが知られています。

そのため、さび病などに強いルイル11やバティアンといった、のちに開発された品種も育てられています。小規模な農家では複数の品種を同じ畑で育てていることが多く、ファクトリーで混ざって1つのロットになるのも珍しくありません。

コーヒー図鑑で品種の記載があるケニアの豆50銘柄では、SL28(98%)、SL34(78%)、ルイル11(44%)、バティアン(24%)が多く書かれています。1つの豆に複数の品種が書かれることがあるため、合計は100%を超えます。

AA、AB、PBの意味は?

ケニアの豆は、粒の大きさで等級が分けられています。袋に書かれる主な記号は次のとおりです。

ケニアの豆の等級(粒の大きさによる区分)
記号意味商品名に含む銘柄数(コーヒー図鑑)
AAいちばん大きな粒16
ABAAより少し小さな粒3
PB(ピーベリー)実の中で種が2粒ではなく1粒だけ、丸く育った豆0

粒が大きいほどおいしいというわけではありません。よいファクトリーのABが、ほかのAAより評価されることもあります。粒の大きさがそろっていると焙煎で火が均一に入りやすい、というのが等級の主な意味です。ほかの国の等級との違いはコーヒー豆の等級で説明しています。

ケニアの精製方法:ウォッシュドが中心

ケニアの豆は、多くがウォッシュドで精製されます。果肉を除いた豆を水槽で発酵させてから洗い、さらに水に浸してから、地面から離した棚(アフリカンベッド)で天日乾燥させる、という手間のかかる工程が一般的です。この丁寧な精製が、すっきりとした味と明るい酸味につながるといわれます。

コーヒー図鑑で精製方法の記載があるケニアの豆57銘柄のうち、ウォッシュドは93%、ナチュラルは7%です。最近はナチュラルや、発酵に工夫をした精製方法の豆も見られますが、まだ少数です。工程の違いはナチュラルとウォッシュドの違いで説明しています。ウォッシュドの豆はウォッシュドのコーヒー豆でも探せます。

ケニアのコーヒーの味の特徴は?

焙煎所の説明では、カシス、ブラックベリー、グレープフルーツなどの柑橘、トマトのような風味、ワインのような酸味と甘さが挙げられることが多くあります。苦味やコクを中心にした豆とはかなり印象が違うため、酸味の少ない豆に慣れていると驚くこともあります。果実のような酸味と「酸っぱさ」の違いは、酸味と苦味の違いで説明しています。

コーヒー図鑑で焙煎所の説明をAIで分類すると、ケニアの豆の44%にベリー系、32%に柑橘系、9%にチョコレート系の言葉が使われています。これは焙煎所の言葉をまとめた傾向で、当サイトが味を確かめたものではありません。

ケニアの豆の淹れ方

ケニアの豆は浅煎りから中煎りで販売されることが多く、ハンドドリップなどのフィルターで淹れると果実味がわかりやすいとされます。エスプレッソにも使われますが、酸味が強く出やすいため、挽き目や湯温の調整に手間がかかることがあります。

酸味を生かした豆は、水の硬さでも味が変わります。詳しくはコーヒーに合う水で説明しています。

ケニアのコーヒーの値段は?

ケニアでは、上質な豆の多くがナイロビのオークションを通じて取引され、輸出業者や輸入業者が入札で買い付けます。ファクトリーごとのロットは量が限られ、世界中に買い手がいることもあり、ケニアの豆はほかの産地より高めに売られることが多い豆です。

コーヒー図鑑のケニアの豆の100gあたり価格の中央値は¥1,198です。シングルオリジン全体の中央値は¥1,240です(基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点)。

産地p10〜p90の幅(100gあたり)中央値(100gあたり)銘柄数
エチオピア¥980〜¥2,300¥1,290191
コロンビア¥890〜¥3,700¥1,465126
ブラジル¥840〜¥1,480¥1,050111
グアテマラ¥850〜¥2,320¥1,16579
ケニア¥923〜¥1,787¥1,19858
インドネシア¥843〜¥1,400¥1,01054
コスタリカ¥935〜¥4,322¥1,26646
ニカラグア¥968〜¥2,100¥1,45041
メキシコ¥862〜¥1,491¥1,07533
パナマ¥1,150〜¥6,380¥3,49021
銘柄数の多い産地の価格の幅(安いほうから1割〜高いほうから1割)と中央値。2026年10月23日時点。

国ごとの相場の比べ方は、スペシャルティコーヒーの100gあたりの値段で説明しています。

コーヒー図鑑のケニアの豆

FORET COFFEE長野県信濃町

KENYA WASHED 浅焼き

ケニア、エンブ、1,800m

ウォッシュド、SL28、SL34

柑橘、トロピカル・ワイニー、ストーンフルーツ

100gあたり ¥933

ケニア・ウォッシュドの中央値より25%安い

焙煎所のサイトで見る

FUGLEN COFFEE ROASTERS神奈川県川崎市多摩区

AA GUAMA / KENYA

ケニア、キリニャガ、1,600〜1,800m

ウォッシュド、SL28、SL34

フローラル・紅茶、ベリー、ナッツ・キャラメル

100gあたり ¥1,320

ケニア・ウォッシュドの中央値より6%高い

焙煎所のサイトで見る

IGNIS東京都文京区

Kenya / Kianjuru SL28 / SL34 Washed

ケニア、キリニャガ、1,600〜1,750m

ウォッシュド、SL28、SL34

フローラル・紅茶、柑橘、ベリー

100gあたり ¥2,500

ケニア・ウォッシュドの中央値より101%高い

焙煎所のサイトで見る

SINGLE O JAPAN東京都墨田区

ケニア Kiajibbi

ケニア、キアンブ、1,500〜1,800m

ウォッシュド、SL28、SL34

トロピカル・ワイニー、ストーンフルーツ

100gあたり ¥1,280

ケニア・ウォッシュドの中央値並み

焙煎所のサイトで見る

ELMERS GREEN大阪府堺市

Gititu AA / KENYA ギチツ - Washed

ケニア、キアンブ、1,300m

ウォッシュド、SL28、ルイル11

ベリー、ナッツ・キャラメル、ストーンフルーツ

100gあたり ¥1,300

ケニア・ウォッシュドの中央値より5%高い

焙煎所のサイトで見る

ケニアのコーヒー豆をすべて見る

よくある質問

ケニアのコーヒーはどんな味ですか?

焙煎所の説明では、カシスやベリー、柑橘のような果実味と、明るくはっきりした酸味で紹介されることが多い豆です。焙煎度や淹れ方によって印象は変わります。

ケニアAAとは何ですか?

AAは、ケニアの豆の等級のうち、いちばん大きな粒の区分です。粒の大きさを示す記号で、味や品質の順位を示すものではありません。

SL28とSL34は何が違いますか?

どちらも1930年代にケニアのスコット研究所で選抜された品種です。系統が異なる別の品種ですが、同じ畑で育てられて1つのロットにまとめられることも多く、袋には両方が書かれることがよくあります。

ケニアの豆はなぜ高いのですか?

上質な豆がオークションで取引されること、精製所ごとのロットが小さいこと、世界中で買い手が多いことなどが重なっているためです。

わかっていないこと

  • 個々のロットの品質。コーヒー図鑑は焙煎所の記載をそのまま記録しています。カッピングの点数やオークションの結果は確かめていません。
  • 袋に入っている品種の割合。ケニアでは複数の品種が混ざったロットが多く、書かれた品種がどのくらいの割合かはわかりません。
  • 味の感じ方。焙煎度、水、レシピでケニアの豆の印象は大きく変わります。

出典と方法

  • ケニアの産地、品種、等級、精製方法、オークション:コーヒーの業界資料などで一般に知られている内容をまとめたもので、個別の出典は示していません。
  • 産地、地域、品種、精製方法、標高、用途:焙煎所が販売ページに記載した内容。割合は、その項目の記載がある豆に占める割合です。AA、AB、PBの数は商品名から数えています。
  • 風味の傾向:焙煎所の説明をAIで分類したもので、当サイトが味を測ったものではありません。
  • 当サイトの数字:在庫のある豆から集計。2026年10月23日時点。詳しくは項目の読み取り方。
  1. 価格は各焙煎所のショップの表示(税込)です。最新の価格・在庫はショップでご確認ください。