ブラジルのコーヒーの特徴:サントス・セラードの産地と味・価格

掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年10月23日時点)。集計の方法

日本では「ブラジル・サントス」の名前で、喫茶店やスーパーの棚でも昔からなじみのある豆です。一方でスペシャルティコーヒーの焙煎所では、州や地域、農園、品種、精製方法まで書かれたブラジルの豆が並び、同じ国の豆でも風味の幅はかなり広くなっています。ここでは、産地、呼び名と等級、品種、精製方法、味、値段を順に整理します。

ブラジルのコーヒーの産地は?セラード・南ミナス・モジアナ

ブラジルのコーヒー栽培は、南東部のミナスジェライス州を中心に広がっています。同州のセラード(セラードミネイロ)は平らで広い高原の産地で、大きな農園が多く、機械での収穫も行われています。南ミナスは起伏のある土地に中小の農園が多い産地です。このほか、サンパウロ州からミナスジェライス州にまたがるモジアナ、北東部バイーア州のシャパーダ・ジアマンチーナ、ロブスタ(カネフォラ)の栽培も多いエスピリトサント州などが知られています。コーヒー図鑑で焙煎所が書いている地域で多いのは、ミナスジェライス、Carmo de Minas、セラードです。

東アフリカや中米の高地の産地と比べると、標高の低めの農園が多いといわれます。焙煎所が標高を書いているブラジルの豆では、記載された標高の中央値は約1,100mです。日差しが強く、標高が比較的低い土地の豆は、明るい酸味よりも甘さとコクが前に出やすいと説明されることが多いです。

「ブラジル・サントス」「No.2」とは?

サントスは、サンパウロ州にある港の名前です。ブラジルのコーヒーの多くがこの港から積み出されてきたため、日本では「ブラジル・サントス」がブラジルの豆の呼び名として広く使われてきました。産地の名前ではないので、サントスと書かれた豆がどの州で育ったのかは、呼び名だけではわかりません。

「No.2」「No.3」は、ブラジルの格付けで使われる等級です。一定量の豆に含まれる欠点豆の数をもとに分けられ、No.2が最も欠点の少ない等級で、数字が大きくなるほど欠点が多くなります。「S17/18」「スクリーン18」などは、ふるいの目の大きさで分けた豆の大きさを示します。どちらも見た目と欠点の基準で、風味の好みを示すものではありません。スペシャルティの焙煎所では、等級より農園名や生産者名、品種、精製方法を書くことが多くなっています。ほかの国の等級との違いはコーヒー豆の等級(グレード)にまとめています。

ブラジルのコーヒーの品種は?

広く栽培されているのは、ムンドノーボとカトゥアイです。カトゥアイには、赤い実をつけるものと黄色い実をつけるものがあります。どちらもブラジルで選抜・開発された品種で、ブルボンやティピカの系統を受け継いでいます。スペシャルティコーヒーの焙煎所では、黄色い実をつけるイエローブルボンの豆もよく見かけます。ほかにアカイア、トパジオ、アララなど、ブラジルで開発された品種もあります。

ブラジルはアラビカ種だけでなく、ロブスタの生産も多い国です。ブラジルのロブスタはコニロンとも呼ばれ、主にブレンドや業務用のコーヒーに使われます。

コーヒー図鑑で品種の記載があるブラジルの豆(98銘柄)では、多い順にカトゥアイ(30%)、イエローブルボン(26%)、ムンドノーボ(21%)、ブルボン(20%)です。1つの豆に複数の品種が書かれることがあるため、合計は100%を超えることがあります。

ナチュラルとパルプドナチュラル

ブラジルでは、実をまるごと乾かすナチュラルが昔から広く行われています。収穫した実をパティオと呼ばれる広い乾燥場や棚に広げて天日で乾かし、乾燥機を併用することもあります。果肉が長く豆についているため、甘さとコクが出やすいと説明されます。

パルプドナチュラルは、外皮と果肉を取り除き、ぬめりのある粘液質を残したまま乾かす方法で、ブラジルで広まりました。中米のハニーに近い方法で、当サイトではハニーと同じグループとして扱っています。果肉を除いてから水で洗うウォッシュドの豆もありますが、ブラジルでは多くありません。

コーヒー図鑑で精製方法の記載があるブラジルの豆(103銘柄)のうち、ナチュラルは60%、ウォッシュドは7%です。

工程と味の違いは、ナチュラルとウォッシュドの違いで詳しく解説しています。

ブラジルのコーヒーの味は?エスプレッソに使われる理由

焙煎所の説明では、ブラジルの豆にはチョコレート、カカオ、ナッツ、キャラメル、アーモンドといった言葉がよく使われ、酸味は穏やかでコクがあると紹介されることが多いです。熟した赤い果実のような風味が添えられることもあります。焙煎所の説明をAIで分類すると、コーヒー図鑑のブラジルの豆の41%にチョコレートの系統、60%にナッツ・キャラメルの系統の言葉が含まれます。これは焙煎所の言葉をまとめた傾向で、当サイトが味を確かめたものではありません。

甘さとコクがあり、酸味が前に出にくいと説明されることから、エスプレッソやブレンドのベースとして使われることの多い豆です。ミルクと合わせるカフェラテやカフェオレにも使われます。焙煎所が淹れ方を書いているブラジルの豆(1銘柄)のうち、エスプレッソ向けは100%です。同じような風味の豆はチョコ・ナッツ系のコーヒー豆で比べられます。酸味が苦手なときの選び方は酸味と酸っぱさの違いで解説しています。

ブラジルのコーヒー豆の値段は?

ブラジルは生産量が多く、大きな農園では機械での収穫も行われています。その一方で、小さな農園のロットや、品評会で評価されたロットは高めの値段になることがあります。コーヒー図鑑のブラジルの豆の100gあたり中央値は¥1,049、シングルオリジン全体の中央値は¥1,240で、ブラジルは全体と比べて低めです(基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点)。

産地p10〜p90の幅(100gあたり)中央値(100gあたり)銘柄数
エチオピア¥980〜¥2,300¥1,290191
コロンビア¥890〜¥3,700¥1,465126
ブラジル¥840〜¥1,480¥1,050111
グアテマラ¥850〜¥2,320¥1,16579
ケニア¥923〜¥1,787¥1,19858
インドネシア¥843〜¥1,400¥1,01054
コスタリカ¥935〜¥4,322¥1,26646
ニカラグア¥968〜¥2,100¥1,45041
メキシコ¥862〜¥1,491¥1,07533
パナマ¥1,150〜¥6,380¥3,49021
タンザニア¥822〜¥1,500¥1,10330
ペルー¥997〜¥2,920¥1,36730
産地ごとの100gあたり価格。線は下位1割から上位1割、印は中央値、右は銘柄数。基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点。

袋の大きさによる値段の違いや相場の見方はコーヒー豆の100gあたりの相場で、ほかの国との比較はコーヒー豆の産地と特徴一覧で解説しています。

よくある質問

「ブラジル・サントス」はどんな豆ですか?

サントス港から積み出されてきたブラジルの豆の呼び名です。サントスは産地ではなく港の名前なので、豆が育った州や地域は、焙煎所の説明や袋の表示で確かめる必要があります。

セラードの豆にはどんな特徴がありますか?

セラードはミナスジェライス州の広い高原の産地で、大きな農園と機械での収穫が多いことで知られます。風味は精製方法や焙煎度によって変わるため、セラードの豆どうしでも、焙煎所の説明はさまざまです。

「No.2」は品質がよいという意味ですか?

欠点豆が少ないという意味です。No.2はブラジルの格付けで最も欠点の少ない等級ですが、風味の好みとは別の基準です。

ブラジルのコーヒーは酸味が少ないですか?

焙煎所の説明では、酸味は穏やかでコクがあると紹介されることが多い豆です。ただし、浅煎りやウォッシュドのブラジルには、果実のような酸味が感じられると説明される豆もあります。

在庫のあるブラジルの豆

FUGLEN COFFEE ROASTERS神奈川県川崎市多摩区

AUGUSTO BORGES ESPRESSO / BRAZIL

ブラジル、南ミナス、1,100m

ナチュラル、イエローブルボン

トロピカル・ワイニー、チョコレート、ナッツ・キャラメル

エスプレッソ向け

100gあたり ¥1,275

ブラジル・ナチュラルの中央値より13%高い

焙煎所のサイトで見る

CHAMI SPECIALTY COFFEE ROASTER奈良市

BRAZIL SANTOS

ブラジル、ミナスジェライス、1,150〜1,350m

ハニー、イエローブルボン

チョコレート、ナッツ・キャラメル

100gあたり ¥1,000

ブラジル・ハニーの中央値並み

焙煎所のサイトで見る

COFFEE AMP東京都杉並区

ブラジル ラゴア

ブラジル、ミナスジェライス、900m

ハニー、カトゥアイ、ムンドノーボ

ドライフルーツ・スパイス、チョコレート、ナッツ・キャラメル

100gあたり ¥960

ブラジル・ハニーの中央値より6%安い

焙煎所のサイトで見る

GLUCK COFFEE SPOT熊本市中央区

BRAZIL Fazenda Rio Brilhante

ブラジル、Cerrado Mineiro、950〜1,100m

ナチュラル(アナエロビック)、アララ、カトゥアイ

チョコレート、ナッツ・キャラメル、ストーンフルーツ

100gあたり ¥1,300

ブラジル・ナチュラルの中央値より16%高い

焙煎所のサイトで見る

ブラジルのコーヒー豆をすべて見る・ブラジルのナチュラル・ブラジルのハニー(パルプドナチュラル)

わかっていないこと

  • 収穫の方法。手摘みか機械での収穫かを書いている焙煎所は多くありません。
  • ロットの品質。等級や点数、受賞歴は焙煎所の記載どおりに載せており、当サイトでは確かめていません。
  • 実際の味。焙煎度や淹れ方で、同じ豆でもカカオのような風味が強く出たり、軽く感じられたりします。風味の系統は焙煎所の説明の傾向です。

出典と方法

  • ブラジルの産地、サントスの呼び名、格付け、品種、精製方法:一般的なコーヒーの知識(生産国の研究機関や業界団体の資料、専門書など)によります。
  • 地域、品種、精製方法、標高、淹れ方:各焙煎所のショップの記載。割合は、その項目の記載がある豆に対するものです。ルールは掲載基準と方法。
  • 価格:基準の袋(100〜250gのうち200gにいちばん近い袋)の税込価格を100gあたりに換算。送料は含みません。在庫のある豆のみ、2026年10月23日時点。中央値は銘柄数と焙煎所数が十分な場合だけ表示しています。
  • 風味:焙煎所の説明をAIで8つの系統に分類したもの(AI分類)。味を測ったものではありません。
  1. 価格は各焙煎所のショップの表示(税込)です。最新の価格・在庫はショップでご確認ください。