エルサルバドルのコーヒーの特徴:パカマラ・ブルボンと火山の産地
掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年10月23日時点)。集計の方法
エルサルバドルは中米でいちばん面積の小さい国ですが、コーヒーの産地としては独特の歴史を持っています。20世紀の後半、内戦などの影響で多くの農園が新しい品種への植え替えを進められず、昔ながらのブルボンの木がそのまま残ったと言われます。かつては遅れと見られたこの事情が、いまではブルボンの産地としての個性になっています。
さらにこの国からは、世界中で育てられるようになった品種が2つ生まれています。ここでは、産地、品種、精製方法、焙煎所の説明に多い風味、価格の順に整理します。
エルサルバドルのコーヒーの産地は?
コーヒーの多くは、国の西部から中部に連なる火山の斜面で育ちます。よく知られているのは、サンタアナ火山を含むアパネカ・イラマテペック山脈の一帯で、サンタアナやアパネカの名前は焙煎所の説明でもよく見かけます。北部のチャラテナンゴは、ホンジュラスとの国境に近い山地の産地です。ほかに、首都サンサルバドルに近いエル・バルサモ・ケサルテペック、東部のテカパ・チナメカなどの産地があります。
火山灰の積もった土地は水はけがよく、多くの農園が背の高い木を植えて、その日陰でコーヒーを育てています。地域ごとの豆はサンタアナ、アパネカ、チャラテナンゴのページでも比べられます。
コーヒー図鑑で焙煎所が書いている地域は、チャラテナンゴ、アパネカ、サンタアナが多くなっています。標高の記載がある豆では、中央値が1,600mです。
ブルボン、パカス、パカマラ
エルサルバドルでいちばん多く見られる品種はブルボンで、実の色によってレッドブルボンやイエローブルボンと書かれることもあります。
パカスは、ブルボンの突然変異で、木の背が低いのが特徴です。1940年代に、パカス家の農園で見つかったことから、この名前がつきました。背が低いため、狭い間隔で植えられ、収穫もしやすくなります。
パカマラは、パカスと、豆が非常に大きいマラゴジッペを掛け合わせた品種です。1950年代に、エルサルバドルのコーヒー研究所で開発が始まりました。豆が大きく、焙煎所の説明では、はっきりした果実感やハーブ、花のような香りなど、個性の強い味と書かれることが多い品種です。エルサルバドルの品評会では、パカマラの豆が上位に多く入ることでも知られています。
コーヒー図鑑で品種の記載があるエルサルバドルの豆(25銘柄)では、パカマラ(52%)、ブルボン(40%)、パカス(16%)、SL28(4%)が多くなっています。
品種ごとの豆はブルボンのコーヒー豆やパカマラのコーヒー豆のページで比べられます。
精製方法:ウォッシュドに加えてハニーやナチュラルも
中米のほかの国と同じく、エルサルバドルでも長くウォッシュドが中心でした。そのうえで、収穫期が乾季にあたるため実や種を乾かしやすく、ハニーやナチュラルの豆も多く作られています。果肉や粘液質を残して乾かす方法は、ブルボンの甘さを引き出すと説明されることがよくあります。
コーヒー図鑑で精製方法の記載があるエルサルバドルの豆(25銘柄)では、ウォッシュドが56%、ナチュラルが28%です(2026年10月23日時点)。
精製方法ごとの豆はハニー精製のコーヒー豆やナチュラル精製のコーヒー豆で比べられます。違いはナチュラルとウォッシュドの違いで詳しく説明しています。
エルサルバドルのコーヒーの味は?
焙煎所の説明では、ミルクチョコレート、キャラメル、はちみつ、ナッツのような甘さに、プラムやチェリー、オレンジなどの熟した果実の風味、やわらかな酸味が挙げられることが多いです。酸味がとがりすぎず、甘さとコクのバランスがよい味として紹介されます。
同じエルサルバドルの豆でも、ナチュラルやパカマラの豆は果実感が強く、トロピカルフルーツやワインのような香りと説明されることもあります。すっきりした味を求めるならウォッシュドのブルボン、個性のある香りに関心があればパカマラやナチュラル、というように、品種と精製方法の組み合わせで選び分けられます。
コーヒー図鑑の焙煎所の説明をAIで分類すると、エルサルバドルの豆では、チョコレート系の風味が24%、ベリー系が12%、柑橘系が32%、花の系統が28%の豆の説明に出てきます。味を測ったものではなく、焙煎所がどう説明しているかの傾向です。
ほかの産地との比べ方は産地ごとの特徴一覧にまとめています。隣の国の豆はホンジュラスのコーヒーの特徴で紹介しています。
どう淹れる?焙煎度と淹れ方
甘さとコクのバランスがよいため、ハンドドリップでもエスプレッソでも使われる豆です。浅煎りから中煎りでは果実の風味とやわらかな酸味が、中深煎り以上ではチョコレートやキャラメルのような甘さが出やすいと説明されます。パカマラやナチュラルの個性的な香りを確かめたいときは、浅めの焙煎をハンドドリップで淹れると違いがわかりやすくなります。
コーヒー図鑑で淹れ方の記載があるエルサルバドルの豆(0銘柄)のうち、エスプレッソ向けとされているのは0%です。
焙煎度による味の違いは焙煎度の違いで、粉と湯の量はコーヒーの粉と湯の比率で、それぞれ確かめられます。
エルサルバドルのコーヒー豆の値段は?
コーヒー図鑑では、エルサルバドルの豆の100gあたり価格の中央値は¥1,662です。シングルオリジン全体の中央値は¥1,240なので、この差がほかの産地と比べたときの目安になります(基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点)。
エルサルバドルの豆は、農園名や区画名まで書かれたものが多く、パカマラや手間のかかる精製方法の豆は高めの価格になりやすい傾向があります。ただし、値段は焙煎所によっても大きく変わります。名前に「SHG」とつく豆は、標高の高い土地で育ったことを示す等級です。等級の読み方はコーヒー豆の等級で解説しています。価格全体の相場は100gあたりの相場にまとめています。
| 産地 | p10〜p90の幅(100gあたり) | 中央値(100gあたり) | 銘柄数 |
|---|---|---|---|
| エチオピア | ¥980〜¥2,300 | ¥1,290 | 191 |
| コロンビア | ¥890〜¥3,700 | ¥1,465 | 126 |
| ブラジル | ¥840〜¥1,480 | ¥1,050 | 111 |
| グアテマラ | ¥850〜¥2,320 | ¥1,165 | 79 |
| ケニア | ¥923〜¥1,787 | ¥1,198 | 58 |
| インドネシア | ¥843〜¥1,400 | ¥1,010 | 54 |
| コスタリカ | ¥935〜¥4,322 | ¥1,266 | 46 |
| ニカラグア | ¥968〜¥2,100 | ¥1,450 | 41 |
| メキシコ | ¥862〜¥1,491 | ¥1,075 | 33 |
| パナマ | ¥1,150〜¥6,380 | ¥3,490 | 21 |
| タンザニア | ¥822〜¥1,500 | ¥1,103 | 30 |
| ペルー | ¥997〜¥2,920 | ¥1,367 | 30 |
わかっていないこと
- 木の古さ。古いブルボンの木かどうかを書いている焙煎所はわずかです。
- ハニーの細かな種類。「ハニー」とだけ書かれている場合、イエローやレッドなどのどれにあたるかはわかりません。
- 実際の味。風味の傾向は焙煎所の説明によるもので、焙煎度や淹れ方でも変わります。
よくある質問
エルサルバドルのコーヒーはどんな味ですか?
焙煎所の説明では、チョコレートやキャラメルのような甘さと熟した果実の風味、やわらかな酸味を持つ、バランスのよい味と書かれることが多いです。パカマラやナチュラルの豆は果実感が強くなります。
パカマラとはどんな品種ですか?
パカスとマラゴジッペを掛け合わせた、エルサルバドル生まれの品種です。豆が大きく、焙煎所の説明では個性の強い香りと書かれることが多いです。
パカスとブルボンの違いは?
パカスはブルボンの突然変異で、木の背が低いことが違いです。1940年代にエルサルバドルのパカス家の農園で見つかりました。
エルサルバドルのコーヒーの主な産地は?
サンタアナ火山を含むアパネカ・イラマテペック山脈の一帯と、北部のチャラテナンゴがよく知られています。多くは火山の斜面の農園です。
エルサルバドルのコーヒー豆
H COFFEE長野県茅野市
エルサルバドル カフェパカス ウォッシュド
エルサルバドル、アパネカ、1,200m
ウォッシュド、ブルボン、パカス
柑橘、チョコレート
100gあたり ¥1,111
¥1,000(90g)・税込・送料別・時点
HYUGA COFFEE宮崎県日向市
El Salvador La Reforma SL28 Natural – エルサルバドル ラ・レフォルマ SL28 ナチュラル
エルサルバドル、アパネカ、1,400m
ナチュラル、SL28
ベリー、トロピカル・ワイニー、ドライフルーツ・スパイス
100gあたり ¥1,700
¥1,700(100g)・税込・送料別・時点
エルサルバドル・ナチュラルの中央値より11%高い
焙煎所のサイトで見るNAGAHAMA COFFEE秋田市
エルサルバドル/ エルベティア Helvetia
エルサルバドル、Ahuachapán、1,380m
ハニー(アナエロビック)、パカマラ
フローラル・紅茶、トロピカル・ワイニー、チョコレート
100gあたり ¥1,440
¥1,728(120g)・税込・送料別・時点
エルサルバドルの中央値より13%安い
焙煎所のサイトで見るONSAYA COFFEE岡山市北区
El Salvador Santa Rosa Pacamara
エルサルバドル、チャラテナンゴ、1,600m
ウォッシュド、パカマラ
柑橘、ナッツ・キャラメル
100gあたり ¥1,390
¥2,780(200g)・税込・送料別・時点
エルサルバドル・ウォッシュドの中央値より9%安い
焙煎所のサイトで見るH COFFEE長野県茅野市
エルサルバドル カフェパカス ウォッシュド 注文焙煎
エルサルバドル、アパネカ、1,200m
ウォッシュド、ブルボン、パカス
柑橘、チョコレート
100gあたり ¥806
¥1,450(180g)・税込・送料別・時点
エルサルバドル・ウォッシュドの中央値より47%安い
焙煎所のサイトで見るLIFE SIZE CRIBE東京都国分寺市
El Salvador Las Ventanas|エルサルバドル ラス ヴェンタナス
エルサルバドル、チャラテナンゴ、1,400〜1,600m
ナチュラル、パカマラ
フローラル・紅茶、ナッツ・キャラメル
100gあたり ¥2,000
¥4,000(200g)・税込・送料別・時点
エルサルバドル・ナチュラルの中央値より31%高い
焙煎所のサイトで見る出典と方法
- 産地・品種(パカス、パカマラ)・精製方法の一般的な説明:コーヒーの専門書や生産国の情報など、広く知られた知識によります。品種の由来はワールド・コーヒー・リサーチ(varieties.worldcoffeeresearch.org)の品種カタログで確かめられます。生産量や輸出量の数字は載せていません。
- 地域・品種・精製方法・標高・淹れ方:各焙煎所のショップの記載です。割合は、その項目の記載がある豆の中で数えています。ルールは掲載基準と方法。
- 風味:焙煎所の説明をAIで分類したもの(AI分類)で、味を測ったものではありません。
- 価格:基準の袋の税込価格を100gあたりに換算。送料は含みません。在庫のある豆のみ、2026年10月23日時点。