エチオピアのコーヒーの特徴:イルガチェフェ・グジの産地と味・価格

掲載料・広告はありません。数字は焙煎所のショップの表示を集計したものです(2026年10月23日時点)。集計の方法

浅煎りのエチオピアは、ジャスミンのような花の香りや、紅茶、レモンを思わせる風味と説明されることがよくあります。「コーヒーは苦いもの」という印象とはかなり違うため、スペシャルティコーヒーの入口として名前が挙がることの多い産地です。ここでは、産地、品種、精製方法、等級、味と淹れ方、値段を順に整理します。

エチオピアの主な産地は?イルガチェフェ・シダマ・グジ

エチオピアは、アラビカ種が生まれた土地とされています。南西部の森には、いまも野生のコーヒーの木が育っています。コーヒーはここから紅海の対岸のイエメンに渡り、世界に広まったと考えられています。

スペシャルティコーヒーの豆の多くは、南部の産地から来ています。代表的なのは、イルガチェフェ、シダマ(シダモ)、グジです。西部にはリムやジンマ、東部には昔からナチュラルの豆で知られるハラーがあります。コーヒー図鑑で焙煎所が書いている地域で多いのは、イルガチェフェ、ゲデオ、シダマです。

生産の多くは小規模な農家が担っています。農家は収穫したコーヒーの実を地域の精製所(ウォッシングステーション)に持ち込み、精製所が多くの農家の実をまとめて精製します。そのため、銘柄名には農園名ではなく、精製所や村の名前がつくことがよくあります。標高の高い土地で育つことも、エチオピアのコーヒーの特徴です。焙煎所が標高を書いているエチオピアの豆では、記載された標高の中央値は約2,200mです。

「エチオピア在来種」とは?

エチオピアの豆の袋には、ブルボンやティピカのような品種名ではなく、「エチオピア在来種」(英語ではHeirloom、Ethiopian Landraceなど)と書かれていることがよくあります。これは、農家の畑に混ざって育っている多くの在来の品種をまとめた呼び方です。ひとつの畑にどの品種がどれだけあるのかは、生産者自身も細かくは把握していないことが多いといわれます。

「74110」「74112」のような番号が書かれていることもあります。これは、ジンマにある農業研究センター(JARC)が在来の木から選抜した品種の番号です。高値で知られるゲイシャも、もとはエチオピアの森から集められた品種です。由来はゲイシャコーヒーの値段と産地で解説しています。

コーヒー図鑑で品種の記載があるエチオピアの豆(141銘柄)では、多い順にエチオピア在来種(77%)、Heirloom(12%)、ゲイシャ(6%)、Dega(2%)です。1つの豆に複数の品種が書かれることがあるため、合計は100%を超えることがあります。

ウォッシュドとナチュラルで味はどう違う?

エチオピアでは、ウォッシュドとナチュラルの両方が広く行われています。ウォッシュドは果肉を取り除いてから乾かす方法で、焙煎所の説明では、花や紅茶、柑橘のようなすっきりした風味と紹介されることが多いです。ナチュラルは実をまるごと乾かす方法で、ブルーベリーやいちご、熟した果実のような甘い香りと説明されることが多くなります。どちらの方法でも、アフリカンベッドと呼ばれる高床式の棚で乾かすことがよくあります。

コーヒー図鑑で精製方法の記載があるエチオピアの豆(191銘柄)のうち、ウォッシュドは39%、ナチュラルは59%です。アナエロビック(嫌気性発酵)と書かれた豆も23銘柄あります。

工程と味の違いは、ナチュラルとウォッシュドの違いで詳しく解説しています。

G1・G2とは?エチオピアの等級

エチオピアの豆は、一定量のサンプルに含まれる欠点豆の数や、カップの評価などをもとに等級が分けられます。商品名にある「G1」「G2」は「グレード1」「グレード2」の略で、G1が最も欠点の少ない等級です。スペシャルティコーヒーの焙煎所では、G1やG2の豆がよく使われています。

ただし、等級が示すのは主に欠点の少なさで、風味の好みではありません。同じG1でも、産地、精製方法、焙煎度で味は大きく変わります。コーヒー図鑑では、商品名に「G1」や「Grade 1」を含むエチオピアの豆が18銘柄あります。ほかの国の等級との違いはコーヒー豆の等級(グレード)にまとめています。

エチオピアのコーヒーの味と淹れ方

焙煎所の説明では、ウォッシュドのエチオピアにはジャスミン、ベルガモット、レモン、桃、紅茶、ナチュラルにはブルーベリー、いちご、熟した果実、チョコレートといった言葉がよく使われます。焙煎所の説明をAIで分類すると、コーヒー図鑑のエチオピアの豆の50%に花・紅茶の系統、32%に柑橘の系統、27%にベリーの系統の言葉が含まれます。これは焙煎所の言葉をまとめた傾向で、当サイトが味を確かめたものではありません。

花や紅茶のような繊細な香りを生かすため、浅煎りから中浅煎りにして、ハンドドリップ向けとして売られることが多いようです。ナチュラルの豆は、エスプレッソやカフェラテに使われることもあります。焙煎所が淹れ方を書いているエチオピアの豆(1銘柄)のうち、エスプレッソ向けは100%です。明るい酸味が気になるときは酸味と酸っぱさの違い、焙煎度の違いは焙煎度の違いも参考になります。

エチオピアのコーヒー豆の値段は?

エチオピアの豆の値段には大きな幅があります。多くの農家の実をまとめた精製所のロットから、個人の生産者の小さなロット、品評会で評価されたロットまでさまざまです。コーヒー図鑑のエチオピアの豆の100gあたり中央値は¥1,290、シングルオリジン全体の中央値は¥1,240で、エチオピアは全体と比べて高めです(基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点)。

産地p10〜p90の幅(100gあたり)中央値(100gあたり)銘柄数
エチオピア¥980〜¥2,300¥1,290191
コロンビア¥890〜¥3,700¥1,465126
ブラジル¥840〜¥1,480¥1,050111
グアテマラ¥850〜¥2,320¥1,16579
ケニア¥923〜¥1,787¥1,19858
インドネシア¥843〜¥1,400¥1,01054
コスタリカ¥935〜¥4,322¥1,26646
ニカラグア¥968〜¥2,100¥1,45041
メキシコ¥862〜¥1,491¥1,07533
パナマ¥1,150〜¥6,380¥3,49021
タンザニア¥822〜¥1,500¥1,10330
ペルー¥997〜¥2,920¥1,36730
産地ごとの100gあたり価格。線は下位1割から上位1割、印は中央値、右は銘柄数。基準の袋、税込・送料別、2026年10月23日時点。

袋の大きさによる値段の違いや相場の見方はコーヒー豆の100gあたりの相場で、ほかの国との比較はコーヒー豆の産地と特徴一覧で解説しています。

よくある質問

エチオピアのコーヒーと「モカ」は同じですか?

同じ豆を指すことがあります。日本では、エチオピアとイエメンの豆が昔から「モカ」と呼ばれてきました。名前の由来はイエメンの港町モカです。詳しくはモカ・キリマンジャロ・ブルーマウンテンとはで解説しています。

イルガチェフェとシダマ(シダモ)は何が違いますか?

どちらもエチオピア南部の産地の名前です。イルガチェフェはゲデオ地域の町とその周辺の産地で、シダマの南にあります。以前は広い意味のシダモに含めて扱われることもありました。味は精製方法や生産者によっても変わるため、産地名だけでは決まりません。

G1の豆は味がよいという意味ですか?

欠点豆が少ないという意味です。G1はエチオピアの等級で最も欠点の少ない区分ですが、風味の好みとは別の基準です。

エチオピアの豆はどんな淹れ方で使われますか?

浅煎りの豆はハンドドリップ向けとして売られることが多く、ナチュラルの豆はエスプレッソに使われることもあります。焙煎所が書いている淹れ方は、各銘柄のページで確かめられます。

在庫のあるエチオピアの豆

FUGLEN COFFEE ROASTERS神奈川県川崎市多摩区

BOCHESA – ETHIOPIA

エチオピア、シダマ、2,000〜2,200m

ナチュラル、エチオピア在来種

ベリー、トロピカル・ワイニー、チョコレート

エスプレッソ向け

100gあたり ¥1,455

エチオピア・ナチュラルの中央値より15%高い

焙煎所のサイトで見る

AND COFFEE ROASTERS熊本市中央区

ETHIOPIA SIDAMA BENSA BOMBE

エチオピア、シダマ、2,280m

ナチュラル、エチオピア在来種

フローラル・紅茶、ベリー、トロピカル・ワイニー

100gあたり ¥1,333

エチオピア・ナチュラルの中央値より5%高い

焙煎所のサイトで見る

AUN COFFEE ROASTERS大阪市浪速区

ETHIOPIA / Gedeb danche

エチオピア、ゲデオ、2,100m

ハニー、Kurume、Dega

フローラル・紅茶、柑橘、トロピカル・ワイニー

100gあたり ¥2,050

エチオピアの中央値より64%高い

焙煎所のサイトで見る

COFFEE ROAST SAI東京都港区

イルガチェフェG1ナチュラル

エチオピア、イルガチェフェ、2,300m

ナチュラル、エチオピア在来種

トロピカル・ワイニー、ドライフルーツ・スパイス、チョコレート

100gあたり ¥1,040

エチオピア・ナチュラルの中央値より18%安い

焙煎所のサイトで見る

エチオピアのコーヒー豆をすべて見る・エチオピアのナチュラル・エチオピアのウォッシュド

わかっていないこと

  • どの在来種が入っているか。「エチオピア在来種」はまとめた呼び方で、畑の中の品種の組み合わせは生産者にも細かくはわからないことが多いです。
  • ロットの品質。等級や点数は焙煎所の記載どおりに載せており、当サイトでは確かめていません。
  • 実際の味。焙煎度、鮮度、水、淹れ方で風味は大きく変わります。風味の系統は焙煎所の説明の傾向です。

出典と方法

  • エチオピアの産地、在来種、JARCの選抜品種、精製方法、等級:一般的なコーヒーの知識(生産国の研究機関や業界団体の資料、専門書など)によります。
  • 地域、品種、精製方法、標高、淹れ方:各焙煎所のショップの記載。割合は、その項目の記載がある豆に対するものです。ルールは掲載基準と方法。
  • 価格:基準の袋(100〜250gのうち200gにいちばん近い袋)の税込価格を100gあたりに換算。送料は含みません。在庫のある豆のみ、2026年10月23日時点。中央値は銘柄数と焙煎所数が十分な場合だけ表示しています。
  • 風味:焙煎所の説明をAIで8つの系統に分類したもの(AI分類)。味を測ったものではありません。
  1. 価格は各焙煎所のショップの表示(税込)です。最新の価格・在庫はショップでご確認ください。